(終了)2026年4月21日(火) ESD21 DAIS(DX and AI Synergy)研究会(クルー①) 第3回会合のご案内

DAIS(DX and AI Synergy)研究会(クルー①) 第3回会合のご案内



ESD21 DAIS(DX and AI Synergy)第3回 研究会完了報告

開催日時: 2026年4月21日(火) 15:00~18:00
場所: ESD21 伏見オフィス
懇親会: 18:30~
対象: DAIS研究会登録会員限定
参加者: 15名
(研究会資料動画は当Web☛青文字に掲載しましたのでクリックしてご参照下さい)

1.開会
木村主査(理事)

ESD21の第3回DAIS会合は、鈴木顧問(理事)の挨拶とESD21新方針案説明から始まり、
山海メンバー(理事) と 佐土井主査(理事)による講演、その後のディスカッション、
そして懇親会と大盛会であった。

2.ESD21新体制への移行と組織改革案の説明
鈴木顧問(理事)
ESD21の役員の交代含む新体制案について説明あり、正式には5月12日の総会で報告ある。
(内容は総会後にWeb.に公開)
改革案の要点は**「分散化」「進化」「持続」**の3つの柱で構成される。
限定理事個人の頑張りに頼るのではなく、仕組みで課題を解決するため、
従来の理事会役割の「活動の牽引役」から、
会員が主役となる**「プラットフォームの整備役」へと転換**する。

具体的には、既存のDAIS研究会含め4研究会を重点に、
その運営は各研究会の責任と権限で自律的に活動できる環境を目指す。

3.講演1:生成AIによる組織文化変革の可能性
山海(理事)

組織文化の変革アプローチ
優れた戦略も、それを実行する組織文化が伴わなければ意味がない(ドラッカー)。

組織文化は、
・目に見える行動「アーティファクト」
・公式な方針「表明された価値観」
・無意識の前提「根底にある暗黙の前提」
の3階層で構成される(エドガー・シャイン理論)。
文化を変えるには、直接変えることが難しい「根底にある暗黙の前提」に対し、
その前提と真逆の行動を具体的な「仕掛け」として実践させることが有効である。
この手法は、トヨタ生産方式(TPS)を導入し、全米最悪の工場を最高品質の工場に変えた
NUMMIの事例でも証明されている。

■ 生成AIによる実証実験
本題は「生成AIが組織文化変革を支援できるか」を検証する実証実験である。

具体的には、生成AIがチーム内の目に見える行動をもとに
「暗黙の前提」を察知し、それを変えるための具体的な行動を提案できるかを検証する。
当初、実際のプロジェクトで実験を試みたが、検証に値するような問題が発生しなかったため、
代わりに生成AIを用いて「架空のプロジェクト」をシミュレーションするアプローチを考案した。

■ プロジェクトシミュレーションの概要
スクラム手法をベースに、価値観の異なる架空のチームメンバー

(『銀河英雄伝説』の登場人物をモデルに設定)とプロダクトバックログを生成AIで作成。
別の「コーチ役」のAIが、日々のタスク状況のシミュレーション結果を分析し、
チームへの改善提案を行う。
このコーチング内容の質を評価することで、AIの能力を検証する。

■ シミュレーション結果と考察
シミュレーション用のAIは、

・完璧主義者と猪突猛進型の対立
・新人が意見を言いにくい状況
など、リアルな人間関係の問題を再現した。
また、コーチ役のAIは
「30分悩んだら誰かに聞く」といった具体的で測定可能な改善策を提案する能力を示した。
この結果から、生成AIが組織文化の根底にある
「暗黙の前提」に近いレベルの事象まで把握できている可能性が示唆された。

■ 質疑応答と今後の課題
実プロジェクトへの導入には、

チャット履歴や議事録など、あらゆる情報をデジタル化する必要がある。
また、メンバーの性格をAIに理解させるため、
自己申告型の診断ツールの活用が考えられる。
一方、人間関係の微妙なニュアンスや
「何かきな臭い」といった漠然とした異常をAIが検知できるかが今後の課題となる。
音声分析技術や、教育分野でのグループ学習評価AIの事例も紹介されたが、
倫理的な問題も考慮する必要がある。

4.講演2:生成AIと組織の自律性
佐土井(理事)

研究背景とテーマ
自身の経歴(人材開発、アジア経済、技術移転研究)を統合し、

「AIを人間やチームの自律性を育む道具としてどう活用するか」という視点で研究を行っている。
多くの組織が抱える意思決定の混乱や情報の不透明性といった課題に対し、
京セラの「アメーバ経営」を参考に、AIが組織の自律性を促進するという仮説を立てている。
自律的組織には、
・個人の責任感の重視
・組織全体の目的共有
が不可欠である。

■ 企業におけるAI活用の調査結果
企業関係者への初期調査では、

約1/3が生成AIを「ほぼ毎日」使用しているが、組織的な導入は進んでいない。
主な活用事例は文章・資料作成で、

導入における最大の課題は「効果やリスクに関する理解不足」であった。
また、DXに全社的に取り組む企業ほどAI導入も進んでいる傾向が見られた。
日米独比較では、大企業における導入は日本でも進んでいるが、
中小企業では遅れている。

■ 中小企業におけるAI活用の研究計画
約4000社が加盟する「愛知中小企業家同友会」と共同で、

中小企業における生成AIの活用状況に関する大規模調査を計画中。
アンケートとインタビューを通じて、
AI導入による組織構造や成果の変化を調査する。
企業への提案時には、
・汎用AI
・RAG(社内データ活用)
・基盤モデル
といったレベルを明確に区別して説明することが重要である。

5.ディスカッション
■ AI導入の現状と課題
企業におけるAI導入の実例と障壁
J社はAIエージェントを活用し、社内データを安全に利用する囲い込み
≪AI活用プラットフォームの構築中≫で第1フェーズでは、プログラミングが
不要なノーコードAIを活用できる環境を整備しています。
ユーザーはプラットフォーム内に格納された、画像認識、データ分析、生成AIを活用した
各種アプリケーションとデータベースに保存された情報を自由に組み合わせることで、
業務改革ソリューションを簡単に作成することが可能になります。
このAI活用プラットフォームは2027年に向けて順次拡充予定であり、既に生成AIを活用した
特許調査を効率化するアプリケーションを作成し、全社で活用を進めています。
一方、中小企業は経営者の判断で先進的な取り組みが可能だが、資金不足や紙文化が
根強く残っていることがDX化の障壁となっている。

■ TPS(トヨタ生産方式)と生成AI
T社はTPSの本質(在庫削減とキャッシュフロー改善)を社内だけでなくディーラーにまで広げ、

全社的な効率化を実践した。
このTPSの原理原則をAIに学習させることで、TPS導入の成功率を向上させ、
企業経営を改善できる可能性があると期待される。

■ 生産性と会計、日本の商慣習
生産性とキャッシュフローの重要性

従来の「時間内にどれだけ多く作れるか」という生産性の定義は、
売れない在庫を増やし、見かけ上の利益(PL上の黒字)とは裏腹に現金を失う
「黒字倒産」のリスクをはらむ。
本当の生産性は、製品が現金に変わるまでの時間「リードタイム」で測るべきであり、
キャッシュフローを重視した経営が不可欠である。
リードタイムの85%を占める「待ち時間」の削減がキャッシュフロー改善の鍵となる。

■ 日本の会計制度と商慣習の問題
1963年頃に作られた日本の原価計算基準は「待ち時間」をコストとして考慮しないため、

多くの企業が在庫を持つことの非効率性に気づかない。
 ☛ 動画(生産性の再定義)
DXを活用し、トヨタの「ミルクラン」方式をお金の流れにも応用して支払いを迅速化すれば、

中小企業の資金繰りが改善し、経済全体が活性化する。
しかし、公共事業の支払いの遅れや根強い下請け構造など、
日本の古い商慣習がそれを阻んでいる。

6.次回勉強会について
次回は河田先生と石川さんが発表者に決定。

日程:2026年7月29日(水)15:00

(文責:佐土井有里)

20260421_DAIS第3回研究会.jpg
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開催のご案内

■ 開催概要
日 時:2026年4月21日(火) 15:00~18:00
会 場:ESD21(名古屋市中区錦2-15-20 三永伏見ビル2階)
主 催:一般社団法人持続可能なモノづくり・人づくり支援協会(略称ESD21)
対 象:DAIS研究会(クルー①)参加メンバー
内 容:メンバーによる話題提供型勉強会
(詳細は後日メールにてご案内いたします)

■ プログラム内容
1:主査木村より本日の流れのご説明
2 : ESD21代表理事 黒岩さんよりご挨拶
3:①山海一剛さん
     〜講演テーマ「「実証実験報告:スクラムのコーチングへの生成AI適用」〜
   ②佐土井有里さん
     〜講演テーマ「生成AIによる組織の自律性:企業調査報告」〜
4:お二人のご講演を受けメンバー全員でディスカッション
5 : ESD21理事 鈴木さんご挨拶  
議事録:事務局長 石村さん

18:30〜20:30 懇親会(5,000円)
  英吉利西屋本店(エゲレスヤホンテン)(先回同様)

定款   会員規約   プライバシーポリシー   リーフレット